安田理央の日本エロカルチャー私史~AV女優たちの素顔 撮影・イベント編~
多くのAV女優を見てきた筆者が語る彼女たちの素顔。撮影・イベント編となる今回は、自らも作品制作やイベント企画に参加する筆者ならではの視線でAV女優を紹介します。素やキャラが際立つイベントならではのエピソードが満載です。
高級デリヘル.JP編集部から
アダルトメディア研究家でライターの安田理央が高デリjpに特別寄稿。筆者がかつて実際に遊んだり取材した、風俗やAVの世界を時代を追って紹介していくシリーズ最終回。
シリーズ最後のテーマは『AV女優たちの素顔』撮影・イベント編として 、かつて筆者が自らプロデュースした作品やイベントで共演したAV女優たちの印象的なエピソードを紹介します。
イベントで個性が発揮される人気女優たち
筆者はライターではあるが、AV監督や雑誌のグラビアのディレクション、そしてトークイベント司会などもやっているので、それらの現場でAV女優と一緒に仕事をして来た。そういう場では、インタビューなどではわからない、彼女たちの素顔に接することが出来た。
イベントなどで一番つきあいの深い女優といえば、戸田真琴だろう。彼女のイベントの司会を、もう10回以上担当している。よくふざけて「戸田真琴専属司会者」と言ったりするほどだ。
実は彼女を一番最初にインタビューしたライターが筆者である。もう4年も前になるが、その初々しい可愛らしさと、「好きな映画監督はジム・ジャームッシュとゴダール」だというギャップにすっかりノックアウトされた。
その後、文章で高く評価されたり、監督として映画を撮ったりとAV女優の枠を超えた活躍をしているが、やはり最初に会った時から、「こちら側の人だな」と直感的に思ったのだ。
筆者とは年齢もずいぶん離れているのだが、なんというか仲間意識みたいなものを持てる子なのだ。だから、イベントなどで会話のキャッチボールをしていても、すごく楽しい。
その一方で、イベントでのファンに対する真摯な姿勢にはいつも感心させられる。
イベントなどで一番つきあいの深い女優といえば、戸田真琴だろう。彼女のイベントの司会を、もう10回以上担当している。よくふざけて「戸田真琴専属司会者」と言ったりするほどだ。
実は彼女を一番最初にインタビューしたライターが筆者である。もう4年も前になるが、その初々しい可愛らしさと、「好きな映画監督はジム・ジャームッシュとゴダール」だというギャップにすっかりノックアウトされた。
その後、文章で高く評価されたり、監督として映画を撮ったりとAV女優の枠を超えた活躍をしているが、やはり最初に会った時から、「こちら側の人だな」と直感的に思ったのだ。
筆者とは年齢もずいぶん離れているのだが、なんというか仲間意識みたいなものを持てる子なのだ。だから、イベントなどで会話のキャッチボールをしていても、すごく楽しい。
その一方で、イベントでのファンに対する真摯な姿勢にはいつも感心させられる。
戸田真琴とは違う意味で、会話のキャッチボールをしていて、いつも上手いなと思わせてくれるのが澁谷果歩だ。Jカップ爆乳で知られる子だが、実はTOEIC990点という成績を残しているほどの才媛。頭の良さというのは、会話のやりとりに如実に現れる。
こちらがこういう答えを求めている、こういうことを言えばお客さんが喜ぶ、といったツボをビシビシと決めてくる。
あどけない顔立ちと爆乳というルックスや、エッチ大好きというキャラクターで甘く見られがちだが、かなりしっかりした人なのだ。こういう人が相手だと、トークイベントを進行するのは、すごく楽だ。
こちらがこういう答えを求めている、こういうことを言えばお客さんが喜ぶ、といったツボをビシビシと決めてくる。
あどけない顔立ちと爆乳というルックスや、エッチ大好きというキャラクターで甘く見られがちだが、かなりしっかりした人なのだ。こういう人が相手だと、トークイベントを進行するのは、すごく楽だ。
しかし、しっかりしてる人だけがトークイベントに向いているかというと、そういうわけではない。不安定さも、またライブならではの魅力があるのだ。
そういう意味では、並木塔子は面白い。整った美貌の熟女系女優であり、清楚な人妻というイメージの彼女だが、イベントでは飲みすぎてベロンベロンになってしまうのだ。もともと彼女がお酒好きのAV女優を集めたイベントをやりたいと言っていたので、筆者が企画したのだが、まぁ、イベント中に飲むこと飲むこと。
挙げ句には終演後に楽屋で、共演した白木優子の膝で泣きじゃくったり(後で聞いたら、なんで泣いていたのか自分でもわからないとのこと)、泥酔してソファで爆睡してしまい、マネージャーが抱えて連れて帰ったり…。
美人なだけに、そういう隙があるところが、また魅力的に思えてしまうのだ。酔っぱらった並木塔子は、とてもチャーミングだった。
そういう意味では、並木塔子は面白い。整った美貌の熟女系女優であり、清楚な人妻というイメージの彼女だが、イベントでは飲みすぎてベロンベロンになってしまうのだ。もともと彼女がお酒好きのAV女優を集めたイベントをやりたいと言っていたので、筆者が企画したのだが、まぁ、イベント中に飲むこと飲むこと。
挙げ句には終演後に楽屋で、共演した白木優子の膝で泣きじゃくったり(後で聞いたら、なんで泣いていたのか自分でもわからないとのこと)、泥酔してソファで爆睡してしまい、マネージャーが抱えて連れて帰ったり…。
美人なだけに、そういう隙があるところが、また魅力的に思えてしまうのだ。酔っぱらった並木塔子は、とてもチャーミングだった。
自分の監督作品で好きな女優と…
さて前述の通り、筆者はAV監督や雑誌のグラビアなどのディレクションを手掛ける仕事もしているのだが、難しいのは自分がファンの女優と仕事をする時だ。
個人的なオールタイム・ベストAV女優というと、00年代前半にキカタン四天王の一人と言われていた笠木忍になるのだが、彼女とも何回も仕事をしている。AV監督としても数本撮影している。
最初に撮影した時、一日で二本の作品を撮らなければならなかった。前半はハメ撮り物、後半は集団レイプ物にした。
ハメ撮り物では、もちろん自分が男優もやることになる。正直言って役得だ。兄と妹という設定にしたが、かなりラブラブなムードも出せて、天にも昇るような気分を味わった。何しろ大好きな女優が相手なのだ。
しかし二本目は、大勢で彼女をいじめまくる作品だ。物理的な暴力はないのだが、言葉で責めまくる。筆者も、イヤな男になりきって、ネチネチといじめまくった。
もちろん、あくまでも仕事なのだが、撮影が終わった後、彼女が視線を合わせてくれなくなってしまったのはショックだった。一本目の撮影の後は、あんなに心を開いてくれたようだったのに……。さすがに少し落ち込んだ。
数年後に会った時には、彼女は全く覚えていないようだったが。
個人的なオールタイム・ベストAV女優というと、00年代前半にキカタン四天王の一人と言われていた笠木忍になるのだが、彼女とも何回も仕事をしている。AV監督としても数本撮影している。
最初に撮影した時、一日で二本の作品を撮らなければならなかった。前半はハメ撮り物、後半は集団レイプ物にした。
ハメ撮り物では、もちろん自分が男優もやることになる。正直言って役得だ。兄と妹という設定にしたが、かなりラブラブなムードも出せて、天にも昇るような気分を味わった。何しろ大好きな女優が相手なのだ。
しかし二本目は、大勢で彼女をいじめまくる作品だ。物理的な暴力はないのだが、言葉で責めまくる。筆者も、イヤな男になりきって、ネチネチといじめまくった。
もちろん、あくまでも仕事なのだが、撮影が終わった後、彼女が視線を合わせてくれなくなってしまったのはショックだった。一本目の撮影の後は、あんなに心を開いてくれたようだったのに……。さすがに少し落ち込んだ。
数年後に会った時には、彼女は全く覚えていないようだったが。
同じく00年代前半に活躍していたあいみ(中谷あいみ)で面白い撮影をしたことがある。ヌードデッサン会という設定のグラビアを撮ったのだが、デッサンをする参加者6人くらいの中に、漫画家の鈴木みそやイラストレーターの寺田克也も混ざっていた。友達だったので、声をかけてみたら面白がってエキストラ参加してくれたのだ。
さすがにプロである。二人はずば抜けて上手かった。あいみもノリがよく、現場は和気あいあいのうちに撮影終了。
終わってから、あいみは寺田克也の絵を見て、「お上手ですね」と言った。
上手に決まっている。世界的に活躍しているイラストレーターなのだ。
寺田克也もシレっとした顔で「うん、おれ、上手いんだ」などと言っている。
あいみは、その絵をもらって帰っていったのだが、それを描いたのが誰なのか、恐らく知らないままだろう。
さすがにプロである。二人はずば抜けて上手かった。あいみもノリがよく、現場は和気あいあいのうちに撮影終了。
終わってから、あいみは寺田克也の絵を見て、「お上手ですね」と言った。
上手に決まっている。世界的に活躍しているイラストレーターなのだ。
寺田克也もシレっとした顔で「うん、おれ、上手いんだ」などと言っている。
あいみは、その絵をもらって帰っていったのだが、それを描いたのが誰なのか、恐らく知らないままだろう。
売れっ子女優ほどしっかりしている業界
最近の撮影で面白かったのは、2017年、2018年に発売された『原寸大おっぱい図鑑Ecstasy』『原寸大おっぱい図鑑3D』のシリーズだ。それぞれ30人のAV女優のおっぱいを原寸大で掲載するという写真集。AカップからOカップ(!)までの様々なサイズのおっぱいの女優を、毎日数人づつ撮影した。
上半身裸になってもらい、全身と乳房を様々な方向から撮り、サイズを図り、さらに胸に対するインタビューをする。
何人も撮らなければならないので、流れ作業のように進めていく。有名女優のおっぱいばかりを、こんなにたくさん見られるという喜ばしい状況ではあるが、こうなると特に感動もしなくなるのだから、仕事というものは複雑だ。
印象深かったのは、「貧乳売りなのに、最近少し大きくなってきて困ってるんですよねぇ」と言っていたAカップのあべみかこと、サイズを図るのに女性スタッフが片方の乳房を両手で持ち上げなければならなかったOカップのHITOMI。さすが世界に名だたる最高峰の爆乳だと感動した。
上半身裸になってもらい、全身と乳房を様々な方向から撮り、サイズを図り、さらに胸に対するインタビューをする。
何人も撮らなければならないので、流れ作業のように進めていく。有名女優のおっぱいばかりを、こんなにたくさん見られるという喜ばしい状況ではあるが、こうなると特に感動もしなくなるのだから、仕事というものは複雑だ。
印象深かったのは、「貧乳売りなのに、最近少し大きくなってきて困ってるんですよねぇ」と言っていたAカップのあべみかこと、サイズを図るのに女性スタッフが片方の乳房を両手で持ち上げなければならなかったOカップのHITOMI。さすが世界に名だたる最高峰の爆乳だと感動した。
これまでたくさんのAV女優と仕事をしてきたわけだが、嫌な思いをさせられたことは、ほとんどない。特に最近は、AV女優の数が飽和状態で競争が激しく、ちゃんとしていない女優は生き延びていけないという状況なのだろう。売れっ子の女優ほど、人当たりがよく、気配りがすごいという印象がある。作品で見るキャラクターと、素顔のキャラクターが違うということは、たまにあるが、がっかりさせられるということは、あまり無い。
みんな素顔も魅力的なのだ。
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取材者 安田理央
1967年生まれ。フリーライター、アダルトメディア研究家。1987年よりアダルト関係の原稿を書き始める。主な著書に「痴女の誕生」「巨乳の誕生」「日本エロ本全史」(以上 太田出版)「AV女優、のち」(角川新書)など。「たちまち はだかの業界物語」(画:前川かずお 日本文芸社)では漫画原作も。