指名している嬢が店を移籍する時に、きちんと次の在籍店を教えてもらえる男性もいれば、残念ながら教えてもらえずSNSや風の噂で知り、少し寂しい思いをする男性もいる。
在籍だけならまだしも、指名している嬢が風俗業界を卒業した時に、プライベートで連絡を取れる男性も存在する。
一体、辞めてしまった風俗嬢がわざわざ連絡を取りたくなる男性とはどんな人物なんだろうか？

かつて西東京の某デリバリーヘルスで長年ナンバーワンだった菜摘さんは、3年前に引退し現在はネイリストをしている。彼女は、デリヘル、箱ヘル、ソープで約10年間働いていたベテランだ。

今まで6店舗ほどの風俗店に在籍を置いてきたという菜摘さんだが、指名客の全員に次の店を教えることは「ない」とキッパリ。ズバリ移籍先の店を教えてもらえる客と、もらえない客にはどういった違いがあるのだろうか？

「あくまで私の場合になってしまいますが、私をちゃんと“風俗嬢として見ている人” には教えていました。高価なプレゼントをくれたり、給料の大半を私に使ってしまうような感じの人には教えなかったな」

意外だ。とにかくたくさんきてくれて、お金を使ってくれる人には絶対教えるものかと思ったが、菜摘さんは「違いますね」と苦笑する。

「もちろんガツガツ稼ぎたい子、とにかくお金が欲しい子はそういうお客さんを切るなんてしないと思うけど、私や私の周りの風俗嬢は『ちょっと怖いなぁ』って敬遠してました。生活や家庭があって、自分の無理しない中で毎月きてくれるような常識的なお客さんに接客するのは、精神的にも疲れないので。逆にしょっちゅう来てくれて、プレゼントもくれるけど、毎日恋人みたいなLINEしなきゃいけないようなお客さんは、接客してて疲れるし、しんどいんです」

現在は、風俗を辞めてネイリストとして働いている菜摘さんだが、現役時代のお客さんとも何人か連絡を取っているという。一体、選ばれし元客たちはどんなスペックなのかが気になる。

「元も子もない話なんですが、見た目が大事ですよね…。店を辞めて外で会うとなると、一緒に歩くわけだから」

ということは、イケメンでなければもう諦めるしかないということなんだろうか？

「いや、別にそういうことじゃないんです！イケメンか否かよりも私は清潔感を重視していました。現役時代は、多少なら体臭があっても、洋服の生乾きの匂いがしても、仕事だから我慢できた。でも、仕事を介さずに会うなら…最低限ニオイは気をつけている人でないと歩けないですよね。お金もらう訳じゃないんだから」

また「これは人にもよると思いますが」と前置きした上で、菜摘さんの場合は「指名している嬢と、年齢が近い人は外で会える確率が高いんではないか？」という。

「私がお店を辞めた後に連絡を取っているのは3人。どちらも私の３つ上と、２つ下。なんで年が近い方がいいか？というと外で会った時に不自然じゃないから。いかにも彼氏でも父親でもない年齢の人と一緒に歩くのは気がひけるし、友人や職場の人とすれ違った時に『友達だよ！』って言えないじゃないですか（笑）」

あとは趣味があう人は辞めてからも連絡を取れる可能性が高いんだとか。

「私はあるアニメのガチオタクなんですが、２ヶ月に一回くる人で同じアニメオタクがいたんです。そいつが3人目。この人に関しては年齢も知らないし、見た目もいわゆるオタク。毎回１枠しか取ってくれなかったから、お金もそんなになかったと思うけど、とにかく話が合う！！！好きなアニメの情報や被ったグッズのトレードができたりするので、彼のことはオタク友達として重宝しています。会ってはないですけどね（笑）」

今は推し活の資金稼ぎに風俗で働く子も多いそうで「本当に趣味が合う子に出会えれば、関係が続くのでは？」とのこと。だが、たまに営業用でオタク趣味を語る子もいるそうで、そこは要注意らしい。

菜摘さんが現在、連絡を取っている人はオタクの彼を含め3人。残りの2人の特徴を聞いてみた。

「1人目のAさんは風俗を卒業する直前に何回か来てくれた人。ヘビースモーカーだけど、タバコの匂いに気をつけているのか不快感のある匂いは全くなくて、服装も髪型もTHE普通な人。イケメンではないけど、不細工でもない。私はお酒が好きなんですが、前に３枠取ってくれた時にお酒を買ってきてくれて、そのお酒のチョイスと飲むスピードが私的に好きだった。あとは辞めてから知ったんですが、工務店を経営しているから私の家の床を張り替えてくれたり、本棚作ってくれたりするので助かるんですよ（笑）。普通なら結構お金がかかるだろうに。そういった面でもかなり助かっていますね」

もう一人の方はどんな人なのか聞こうとすると、菜摘さんは少し気まずそうな顔をした。

「実はもう1人の人はもう距離を置こうかなぁと思っていまして…。この方は2つ下なのに、ガチ恋でもなく『今日暇ー』とLINEすれば、いつでも来てくれて、しかも一切プレイはしないっていう超太客でした。LINEも必要以上にしてこないし、神様みたいなお客さんだった。だからまぁ切るのはもったいないし、たまにご飯に行って欲しいものを買ってもらったりしていたんです。欲しいものっていっても、ハイブランドの物とかではなく日用品とか、1万円くらいの電化製品とか」

ここまで聞く限り、この人と距離を置く理由が全くわからないが、彼は何かやらかしたんだろうか？

「急にご飯の帰りに偶然を装って親を紹介されたんです…。ちょっと重いじゃないですか。ただの風俗嬢と客で、SEXもしたことないのに…。『友達だよ！』っていう紹介だったけど、それでもちょっと重い。なんていうか人との距離感がバグっている感じがして怖くなりました」

またこの彼は清潔感や服装も少し微妙だったんだとか。

「Aさんと同じヘビースモーカーなんだけど、歯が汚かったり、気をつけてないからかすごくタバコ臭い。服装もすごくダサいとか一緒に歩けないわけじゃないけど、一昔前のV系みたいな感じなんです（苦笑）。安いクロスのネックレスとか、ドクロのTシャツとか、ちょっと微妙だった」

服装に関しては、おしゃれな人よりも無難な人が好感度が高いようだ。

「全身ブランド物よりも全身ユニクロで、髪型とかもこう尖ってない人がいいですね。結局、何の仕事してるんだかわからないイケメンよりも、普通のサラリーマンのお客さんが好かれる可能性は高いような気がします」

まとめると
・マニアックな趣味が合う
・年齢が近い
・お酒や食の好みが似ている
・清潔感がある
・尖ったファッションをしていない
・風俗嬢と割り切ってくれていた

といったところだろうか。

「そうですね。まぁ人によりますが。あとは悲しいことに私には富裕層のお客様があまりいなくて…（笑）。毎週来てくれるお客様でも、ゆとりがあっての来店なら純粋な『ありがとう』なんですが、貯金を切り崩してとか、給料の大半をプレイ代に…って感じの方が多かったので、怖いから卒業と同時にサヨナラしました。
逆に、余裕のある富裕層のがっつかないお客様なら、辞めても風俗嬢から無下に縁を切られたりはないんじゃないかな？でも、そういうお金をかけなくて上記のような人であれば、プライベートで会える可能性はなきにしもあらずだと思います♡私のように」